マニュアルがあることで起きる弊害
一応、このやりとりで何が起きているかを説明すると
私は白玉抹茶パフェというデザートだけを頼んでいるので
出来上がり次第持ってきてもらえればかまわなかったのですが
ウェイトレスさんに
デザートは「いつ持ってくるか」を確認しないといけない
というマニュアルが強く影響して
マニュアル通りに話してしまった、ということが起きたわけです
すごくおかしなやりとりになったのですが
ウェイトレスさんがまったくそれに気づいている様子がなかったことで
ますます面白くて
しばらく私は笑っていたのですが
よくよく考えてみれば
「怖いことかもしれないなぁ」
と思ったのです。
マニュアルは便利な反面
マニュアルがしみ込んでしまうと応用がきかない、といったことが起こります
このウェイトレスさんは十代後半にみえました
デザートのみの客を意識して仕事をするには
まだ経験が足りていなかったのかもしれません
友人が部下を抱えたとき
ミスを指摘したら
「マニュアルに書いてなかったので」
と言われてあきれかえっていました
「マニュアルに書いてない」がミスの言い訳として成立するのが
信じられないと友人は言っていました
私たち1970年代生まれが新人のころは
マニュアルという言葉さえあまり使われていませんでした
仕事は先輩から教わるか、先輩の仕事を盗むかしかなかったのです
先輩から教わるのがいいかといったらそうでもなくて、
先輩とマニュアル、両方から仕事を吸収していく形がいいのかなぁと思います
例えば
同じ工程を教わっても
A先輩とB先輩ではやり方が違って
A先輩のやり方をするとB先輩に叱られるということも起こりました
そこにマニュアルがあれば、
どちらが望ましいやり方をしているかがわかります
マニュアルがなければ
自分でマニュアルを作って次の人に引き継いでいくことも
選択肢のひとつです
以前、私が就業する企業にいた派遣社員さんは
マニュアルがなかったことで自分が苦労したので
自分のあとの人が同じ苦労をしないように
マニュアルを作っていました
その人は自分でビジネスを立ち上げるための準備期間として
派遣社員をしていました
準備が整い次第、契約期間満了をもってやめることを決めていたのです
私はその人を眺めながら
「自分のためだけでなく
誰かの幸せを考えて仕事ができる人は
きっとビジネスを立ち上げても成功できるのだろうな」
そう思いました