簡単な言葉ならイイ!ってわけじゃない
イメージを伝えようとするときに、
「やさしい感じ」というようなふわっとした表現は、
作り手を困らせる表現です。
私はデザインの仕事をすることもあるのですが、
クライアントのゆるふわな言葉を自分なりに解釈して作ると、
「こうじゃない」とか言われたりするんです。
今までデザインワークをしてきて「やっかいだ」と感じるクライアントは、
ぼんやりとデザインのイメージは思い描けているものの、
それを言葉にして伝える力がない方。
そういう方と仕事をすると、
こちらは教えてもらえない答えを探して、
何度もラフを起こすことになります。
「プロならなんとなくわかるでしょ」と言われましても、
エスパーじゃないんで、あなたの潜在意識を読み取るのはさすがに無理ですよ、
…って面と向かって言いたかったなぁ…
この漫画の写真の話に戻しますと、
私の電話の相手のプロラボの方は、
こちらの社長に「やさしい感じ」にプリントするようにと言われて困惑していたようで、
「温黒調の印画紙に近いイメージで」と私が伝えたとき、
「ああ!わかりました!」と安堵の気持ちがにじみ出るような声をあげていました。
ゼラチンシルバープリント(銀塩写真)も、
どんどんと過去のものになっていきますねぇ…
このときは(2011年頃)「温黒調の印画紙に近いイメージ」と伝えただけで、
プロラボの方はすぐ理解してくれましたが、
年月を重ねていけば「温黒調」という言葉も、通じなくなっていくのでしょうね。