10年以上前のことをマンガにしてみました。
彼女は貧しくはない家庭で育ち、
高収入の男性と結婚をし、
貧乏 という状態を実体験として持ったことがない人でした。
そんな彼女から
「愛があればどんなことも乗り越えられる。
結婚で大事なのはお金より愛だよ」
と言われたとき心がざわつきました。
「このコはお金に困らない生活をしてきた。
だから、お金の存在が当たり前になってしまって、
お金の下支えが意識できてないんじゃないか？」
そう思ったのです。
裕福な結婚生活を送っている人が
「愛だけで結婚生活の困難を乗り越えた」
みたいな言い方をしたので、
「いやいやいやいや！(笑)」となってしまいました。
彼女の結婚生活に愛があるかどうかは判断できませんでしたが、
お金が潤沢にあるのは、
彼女の持ち物やライフスタイルから読み取れました。
彼女が、
「金があればどんなことも乗り越えられる。
結婚で大事なのは愛よりお金だよ」
と「愛」と「金」を入れ替えて言ってくれたら、
「なるほどそうだろうね」と私も納得したと思います。
「話し方」「言い方」の大切さが言われるようになって久しいですが、
「誰が言うか」も同じくらい重要と私は考えます。
自分に根差さない上っ面の美しい言葉は、
話す人間の本質があらわになったときに、
もろいお城のように崩れてしまいます。
その実例を、
私たちはネット上にいくつも見つけることができます。
今回このマンガで、
「結婚で大事なのはお金より愛だよ」という友達の美しい言葉を、
笑顔をうかべながらも、心の中で「説得力ゼロだね」とディスる、
自分自身の黒い部分を表現してみました。
これからも、表現に気を付けつつ、
人間らしい自分の黒さを出していきたいと思います。
自分で自分を美しい表現で飾り立てる快楽に溺れないように。