私は「アスペルガー症候群」だの「発達障害」だのといった言葉がキライです。
病気ではないし、治療対象だとも思っておらず。
正直ね、使いたくない言葉なのですよ。
このマンガの最初で、
「私はアスペルガー症候群のグレーゾーンです」
と言えば済むところを
「私は世に言うアスペルガー的要素を持っている」
という、 非常に遠回しな表現を使っているのは、
「アスペルガー」とか「グレーゾーン」という言葉がイヤで、
素手で触りたくない感覚があるからなのです。
わかるかな? わかんねぇだろうな。←昭和ギャグ
このマンガでは「アスペルガー」の短縮形である「アスペ」というキーワードを
タイトルにぶっこんであります。
アスペルガー症候群という概念に関心がある人へすみやかに届けるには、
釣り針の先に餌をひっかけて海中に落として魚を釣るように、
タイトルに入れるのが一番だと考え、
悩んで悩んで、「アスペ」をタイトルにぶっこみました。
「アスペルガー」を題材にしたエッセイや漫画は、
「私、こんなにダメで~」
「私、生きづらくて~」
という感じで、マイナス面メインで語られることが多く、
社会的に大きなことを成し遂げた人のインタビューやコラムとか読むと、
「アスペルガー」や「発達障害」という言葉はないものの、
それらの特徴を強くうかがわせるエピソードがあり、
文中では「高い専門性」と書かれていても、
「アスペルガー特有の強いこだわり」とも言い換えることができたりします。
「私はこんなにダメ」
「俺はこんなにすげぇ」
このどちらかに偏ったものだと、本質が見えにくくなると常々思ってきました。
このマンガは、
アスペ的傾向にあるがために、いいところもダメなところもある。
というのを、
私という一人の人間のケースを通じて表現してみたものです。